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ピンクを許す

 

小さい頃から身も心もドブスとして生きてきた。ピンクを身に着けたらみっともない

女の子にはなれなかった。器は嫌というほど女なのに

自分を憎み、人を憎んでいる。

本当は私もピンクを身に着けたかった

 

***

今日はお休みだった。体調悪くする時期に合わせて休みにしておいたのだった。食べても満腹にならない、寝ても寝たりない。お腹がしくしくしてずっとぐずっている。私は7さいだ。

重い体を起こして病院に薬をもらう電話をした。車の点検の払い込みを済ませた。心は7さいでも器は23歳だから。

子どもの自分がなんとなく私にもいるような気がするのは近しく思う人がそう言っていたからだろう。影響を受けやすい

 

午後になって妹を連れてでかいショッピングモールへ行った。お腹が痛い。歩いているだけでグラグラする。妹が服を吟味している間私はずっと座っていた。眠い。下半身が気持ち悪い。この体を今すぐに捨てたい。眠い。もういやだ。そればっかりだった。

高速代かけてきたから私もなにか、と思って店をまわる。懐かしいキティの声がする。ポップコーン!サンリオショップだ!

 

きらきらひかるピンクの可愛いお店。店内はよちよち歩く女児とその母親。アドレナリンが全身を駆け巡って夢中になる。マイメロ!シナモン!キティちゃん!大きなポムポムプリンのぬいぐるみに思いっきり頬ずりしたい。私は7さいだ!23歳の体を捨てて欲しいものを全部かごに入れた。

マイメロとリボンがついたピンクのヘアゴム、マイメロのぬいぐるみ、マイメロのノート全部私が使う!嬉しくて狭い店内をずっとぐるぐる回って3つだけ買うことにした。

7さいの私はお財布からクレジットカードを出す。「一括払いで」低いテノールの声。店員のおねえさんがなにか言ってる。「プレゼント用ですか?^^」

プレゼント?誰に?これは全部私のものだ…

7さいのわたしがぐちゃぐちゃになって23歳の私が戻ってくる。「アッハイ…ラッピングデキマスカ…」私のなのに私のなのに私のなのに私のマイメロなのに…7さいが泣いている。涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった醜い顔で。

あれよあれよという間におねえさんが手際よくぬいぐるみや髪ゴムやノートを包んでいく。Mサイズ150円の有料袋に形よく。

マイメロちゃんのタグ、サービスでおつけしますね^^」

マイメロの…タグ……かわいい…

サンリオショップの紙袋とかわいいラッピング、マイメロのタグ…

7さいが笑っている。涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった醜い顔で。

23歳の私から7さいのわたしへのプレゼントだ。ピンクを許すよ

 

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