8.26

起きると体が重い。低気圧でもないのに頭が痛かったり脳みそにぎゅーっとラップされたような閉塞感。起き上がると血がざーっと下がっていくような感覚がある。もともと貧血気味だからそれが慢性的に出るようになったのかもしれない。

お風呂に入っても寝ても疲れがとれない。学生のころと疲れのたまり方が違う。体力が落ちた。若さって私にもたしかにあったんだなと思う。

 

バイト先は木がたくさんあるので虫が多い。蝉や蝶やくわがた、かぶとむし、蜘蛛、毛虫。この頃は毛虫がとても多くて見つけたら問答無用でぶち殺していく。私も毛虫に生まれていたらこんな風に踏みつぶされたり木の枝でお腹を刺されたり殺虫スプレーの霧にのたうち回って死んでいくのだろうか

ぐるぐると体を何回も回転させて毒の霧に苦しんで死んでいく姿を見て、きゃーきもちわるい!と声を上げた女の人に同意を求められたので、気持ち悪いですねと答えた。女の人からふと表情が消えたような気がした。変なことを言ったんだろうか。言葉と同じ温度で気持ちをのせることに失敗してしまったかもしれない。こののたうち回る毛虫は私だ。

 

毛虫を殺す理由なんて毛虫だからって理由だけだった。毛に触ったら赤い湿疹になる毒を持つ毛虫もいた。まぎれもなく人間に害をなす虫で、バイト先の特性的にも仕方のないことなんだけどあまりにもあっさり殺されていくものだからなんだか私は気持ちが乱されてしまう。毛虫に感情移入でもしてるせいだろうか、私は人間なのに。そんな風に死んでいく毛虫の横でかぶとむしやくわがたが持て囃されている。死体の角や羽までも重宝されて、手に入れたことがステータスになるみたいだ。同じ虫なのにうまれた種別で虫生が変わっていく。うまく行けば自分で苦労せずとも餌を与えられ温度管理のなされたところで生きられるんだろう。まあでもそんなのも一握りでおおよそはそいつらも無慈悲にいじくり回されて弱って死んでいく。虫からしたら人間に殺される以外の何ものでもない。

 

虫が人間に殺されるまでを、私が私の都合がいいように解釈しているだけだった。私はいまバイト先で人間界に紛れ込んでしまった毛虫人間みたいだなと思った。毛虫に生まれてしまったから仕方がない。毛虫として生きて毛虫として死ねることができればいいんだけど、無駄に人間になりたいとか人間として生きようとかそういう風に思うから苦しむんだろうと思う。身分相応、そのままの自分を受け入れる、それだけのことでたぶん私はもっと楽に生きられるはずなんだと思った。私は毛虫だ…………

害虫駆除をしただけで私は毛虫だとか言い出す自己否定的イカレ脳みそだからバイト先で浮くし馴染めないんだろう。どちらかというとかぶとむし的人間が多いし、思考回路があまりにも働いている人たちとかけ離れていて会話の前提から噛み合わないので会話にならないのがちょっと辛いなと思う

せめて蜘蛛だったらよかったのに、虫じゃないらしいけど

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